施設選ぶ際のポイントとして、『優先したいことに順位づけをし、どうしてもという条件2~3つに絞ること』『2~3施設の見学をすること』『慎重に選ぶこと』をおススメしていますが、今回は慎重に選びすぎて、希望していた施設に入居できなかった例をご紹介します。
事例1
Aさん(87歳)男性 介護度2 一人暮らし
脳梗塞後左麻痺軽度。杖歩行ふらつきあり。高血圧。肝臓がん。
相談者は、隣の市に住んでいる長女さん。義父の介護もありAさんの介護ができない。
「一人暮らしの父が心配。本人は嫌がっているが、今後のことを考えて入居できる施設を探したい」
Aさんの希望:自宅での生活を続けたい。食事へのこだわりが強い。喫煙あり。
ご家族の希望:月々の負担15~20万円くらいの施設。駅から近いところ。リハビリを続けてほしい。
お二人のご要望に沿った施設のうち、空き室がある施設3か所を一緒に見学。
①B施設:駅からは少し離れている、リハビリデイ併設、喫煙×、月額負担金17万円~
②C施設:駅から近い、リハデイは別利用。喫煙〇、月額負担金20万円~
③D施設:駅から少し離れている、リハデイ別利用、食事対応充実、喫煙×、月額負担金18万円~
Aさんと娘さんの希望が異なっていることもあり、なかなか決断がつかないご様子で、「少し検討します」とのこと。
半年後、Aさんが自宅で転倒し、骨折、入院となる。
退院後は自宅での生活を続けるのはいよいよ厳しい状況になり、Aさんもようやく施設入居を決断。
『以前見学に行ったD施設に入居の申し込みをお願いしたい』と娘さんから再度依頼を受ける。
しかし、すでにD施設は4~5人予約待ちが出ている状況ですぐの入居はできなかった。
施設入居はタイミングもカギ
これからの住まいとなる場所なので、その人にあった施設を『慎重に選んでほしい』との思いもありますが、この事例1のように、施設入居の決断には『タイミングも重要』となります。
施設選びは難しい決断です。
どこの施設に入居するのがいいのだろうか、やはり自宅で暮らし続けたい・・と気持ちも揺れ、なかなか決断できないことと思います。
しかし、検討している間にも、ご本人の病状が悪化してしまうことや転倒など不慮の事故にあってしまうこと、希望の施設にいつでも空き室があるわけではないことも考えておく必要があります。
決して入居を急かしているわけではありませんが、このようなケースを防ぐために、状況と場合によっては、施設の入居予約『仮押さえ』の申し込みをしておくことをおススメしています。
『仮押さえ』『順番申し込み』をして、その後申込取り消しとなった場合でも、料金はかからない場合がほとんどです。
かといってあちっもこっちも・・と『仮押さえ』をしてしまうと、施設側に迷惑となってしまいますので、そこは慎重にお願いします。