『入居して1か月がたつが、退去して他の高齢者施設を探したい』

こんな場合、一時金は返金してもらえるのでしょうか?

 

高齢者施設に入居する場合、入居一時金が必要な施設と入居一時金が不要な施設があります。

まず、この「入居一時金」とはどんなものなのでしょうか?

ここでは、老人ホームとサービス付き高齢者住宅についてみていきます。

入居一時金は家賃相当額の前払い費用

入居一時金は、家賃相当額の全部または一部の前払い金です。

家賃の前払いにあたるため、金額としては無料のところもあるのですが、数千万円必要な場合もあり、施設によってさまざまです。

入居一時金が必要なのは、利用権方式の施設

老人ホームと契約をする場合、有料老人ホームでは、利用権方式という契約方式の施設がほとんどです。

サービス付き高齢者向け住宅などでは、建物賃貸借方式という契約方式なので、入居一時金という費用は必要ありません(敷金が必要な場合あり)。

用権方式

施設に入居する時に、入居一時金を支払う(家賃を前払いする)事で、その施設の居室や共用スペース、そして生活支援や介護サービスを終身で利用する権利を購入して入居する方式。

建物賃貸借方式

一般の賃貸物件に入居するのと同じで、居室に対しての契約を結び月々に家賃を支払っていく方式で、介護サービスに関しては別の契約を結ぶ。

入居一時金の償却(しょうきゃく)とは?

また各施設で「償却期間」などがそれぞれ定められています。償却期間とは、前払い金をどのくらいの期間で使い切るか?ということです。

大抵の施設は、

  • 介護付き有料老人ホーム:5年程度
  • 住宅型・健康型有料老人ホーム:15年程度

というところが多くなっています。

この償却期間内に退去した場合には、償却されていない額が返還されるところがほとんどです。 返還される(償却されていない)金額は、償却期間と償却率によって決まり、これらは施設によって設定が異なるので、必ず確認が必要です。

入居一時金はクーリングオフの対象

入居一時金は「クーリングオフ制度」の対象となります。入居一時金の場合は入居後90日以内に退去した場合は、入居一時金は初期償却分も含めて全額返還されます。初期とありますが、この制度もあるため厳密には「91日目」に償却されます。(家賃や一部費用は除く)

ただし、クーリングオフの対象がどこまでになるかは、都道府県によって変わる場合があるので、確認が必要です。

出典:

わかる老人ホーム