「仕事と同じ感覚で、介護も完璧にこなせると勘違いしていた」
認知症の妻を介護していた、ある男性の言葉です。
仕事中心で世話や家事の経験が少ない男性が、ある日突然に妻や親の介護を任される・・。この戸惑いはいかなるものでしょうか。
「妻や親の世話・介護を行う主となる介護者が男性のこと」を男性介護者といいます。
新聞や各メディアでも取り上げられることが増えました。
今や男性介護者の数は、主介護者の3割、100万人とも言われています。
さまざまな記事や報道を見ていくと、男性介護者の特徴として、
・今まで仕事中心の生活で、介護の場となる家の近くに知り合いや友達がおらず、気軽に相談できないこと
・「立場」を気にして、職場では介護のことを相談しにくいと感じていること
・責任感が強く、すべて自分が頑張れば何とかなると思い込みやすいこと
・家事や世話に不慣れであり、気持ちにも時間にも余裕がもちにくい
ことなどがあげられ、女性介護者よりも「孤立しやすい」「ストレスをため込みやすい」と言われています。
さらに、近年では親や配偶者の介護のために仕事を辞めてしまう「介護離職者」が年10万人を超えるとも・・・。
介護離職をしてしまうと、収入が減ってしまうことやさらに孤立を深めてしまうことになりかねません。
男性介護者同士で日々の悩みや介護のことを話したり、情報交換を行ったり、日々の介護から離れてほっと息抜きする居場所づくりのために、男性介護者の集いの会を開催しているところも増えています。
大阪で「男性介護者のつどい」を開催しているところ
※ネット検索で、「男性介護者」に限定した活動をしていることがわかったもののみ掲載
・箕面市「男性介護者のつどい」:
月1回、第3か第4月曜日開催、13時30分~、総合保健福祉センター別館2階、無料、申し込み不要
・大阪市住吉区「ほっこりサロン」:
月1回、第4水曜日13:30~15:30、大阪市住吉区地域包括支援センター、100円
・大阪市平野区「陽だまりサロン」:
月1回、第3月曜13時~、平野区社会福祉協議会(にこにこセンター)」
ネットで情報が知りたいという方は、「男性介護者と支援ネットワーク」のホームページも参考になると思います。
また、男性に限らず介護者の会として活動しているところは沢山あります。
北摂地域で介護者の会の活動をしているところ
・「箕面市老人介護者の会」 問い合わせ先▶箕面市社協 072-749-1575
・「豊中市老人介護者(家族)の会」 問い合わせ先▶豊中市社協 06-6848-1279
・「吹田コスモスの会(認知症家族の会)」問い合わせ先▶吹田市社協 06-6339-1205
・「豊能町介護者(家族)の会」問い合わせ先▶豊能町社協072-738-5370
「大阪府介護者(家族)の会連絡会」のホームページ上の画像のリーフレットをクリックしてください。活動している団体の一覧がのっています。お住いの地域でも活動が行われているかもしれません。
「男性の多くは悩みを誰かに相談するのが苦手。一人で介護をする男性には日常を離れて仲間と愚痴を言い合う場が必要」です。
参加するのが難しい場合には、ケアマネージャ、ホームヘルパー、医師、看護婦など、接する機会のある人にでも構いません。お住いの地区にある地域包括支援センターに電話でも構いません。
一人で悩みを抱え込まずに、一言、あなたの悩みや思いを伝えてみませんか?