今回のご相談は、病院から医療的対応できる施設を紹介してもらい、入居申し込みをしていたが、断られて困っているというTさんからでした。

Tさんは、ある病気でストマを増設したばかりで入院中です。まだ体が慣れておらず気分が悪くなることもあり、ストマ装具を外してしまうこともあるそうです。

今後の生活にも看護師による医療的対応が必要で、退院後に自宅での生活を続けることは難しく、高齢者施設に入所して生活する予定でした。

しかし、その施設から日中は看護師が常駐しているが、夜間は看護師が不在であること、開設して間もないため職員が固定できていないなどの理由で、入居を断られたとのことでした。

退院日は日に日に迫ってきます。Tさんは、必死でインターネットで情報収集をし、入居できる施設を探したそうです。24時間看護師が常駐している施設を探して直接問い合わせをしたところ、「今年度から24時間看護師常駐でなくなったんです」との返答が・・。

困っていたところ、当社の存在を知り、ご相談くださいました。

24時間看護師が常駐しており、予算内で入居できる施設(月額負担料20万円くらい)を2件ご案内させていただきました。

『あなたみたいな人がいるなんて知らなかった。知っていればこんなに苦労しなかったわ』というTさんの言葉が胸に残りました。

介護施設の現場も職員の入れ替わりや運営体制によって変化していきます。

開設前に作られた施設のホームページやパンフレットに掲載されているサービス内容と、今実際に施設で受けられるサービス内容とが少し異なっていることも少なからず考えられます。

介護サービスを受けながら生活ができる介護施設を探されている方に、少しでも必要な情報を届けたい、その力に少しでもなれたらと思い、情報を発信しています。

しかし、Tさんのように入居できる高齢者施設を探しているけれども、老人ホームなどを紹介する業者の存在すらご存じでない方もたくさんおられます。今後、そのような方にもどう情報を届けていけるのか、まだまだ模索中です。

 

参考:ストーマ(stoma、ストマとも)とは、消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のこと。大腸癌や膀胱癌または炎症性腸疾患などのため、便や尿の排泄経路を変更して腹部に設けた穴(ストーマ)から排泄物を出し、穴を覆うように肌に貼りつけた袋で排泄物を受けて処理している。『オストミー手術を受けた仲間という意味で、世界中の患者は互いを「オストメイト」と呼んでいる。日本では身体障害者に認定されるので、障害者手帳交付数から推して人口 1,000人あたり約1.5人、つまり20万人ほどの仲間がいる』(公益社団法人日本オストミー協会会長 高石 道明氏談 2012年10月の記事より)。

公益社団法人日本オストミー協会